暇つぶしオールフィクション

主にスカッとする話、2chの面白いコピペなど紹介していきます。ここに書かれる話はたまにフィクションであり、実在する人物、団体とはあまり関係ありません。

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「大好きなものを描いてね」

幼稚園の頃お絵描きの時間に先生が
「大好きなものを描いてね」といういやに抽象的なテーマをだした。


みんなは、「おかあさん」とか「愛犬」とか「お花」を描いていたが、
私は、画用紙一杯に茶色の丸を何個も何個も描いた。

先生の「これ、なあに?」の問いに「とりのからあげ!」と元気に答えた私。
教室内は大爆笑、「だって、好きなものって言ったやん」と、子供心が傷ついた。

その絵を、返却され家に持って帰る事になり「お母さんも笑うかなあ、」と心配になったが、
お迎えに来た母に「好きなもの、から揚げ描いたら先生も皆も笑ってん。」
ここまで話すのが精一杯で大泣きしてしまった。

母は満面の笑みを湛え「そっかあ!」とその足ですぐスーパーに行き鶏肉をいっぱい買って来て
その日の夜と、次の日のお弁当にから揚げを入れてくれた。

年子の弟がいたので、「お姉ちゃん」というプレッシャーがあったのと、食が細かったので、
「これが好き」とか「これ食べたい」とかあまり言わない子供だったので母はすごくうれしかったみたい

父も「この子は酒飲みになるぞお」とうれしそうにから揚げをたべていた。
期待を裏切らず酒飲みになり、あてはいつもから揚げ
身長も171センチと大きく元気に育った。

「から揚げの絵」は、いまも大切に実家に保管してある。
おかあさん、ありがとう。
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[ 2011/08/01 00:00 ] ちょっといい話 | TB(0) | CM(0)
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